小説「ティターンズの旗のもとに ADVANCE OF Z」

がんじい

2011年03月02日 07:43

読書嫌いな私が最近ハマったガンダム小説をご紹介します♪
今野 敏(こんの びん)氏著の
ティターンズの旗のもとに ADVANCE OF Z」という小説です。
今野 敏氏は警察小説の得意な作家さんであると同時に、
ガンダムファンでもあります。
この小説は元はガンプラ等が掲載されてる模型雑誌
電撃ホビージャパン」に企画物で連載されていたものを
単行本 上・下と2冊にまとめたものです。
1冊定価620円(税込)です。



上巻の表紙です。コクピットに乗り込み、発進する前に敬礼するパイロットを
描いています。


物語は1985年に放映された「機動戦士Z(ゼータ)ガンダム」の
外伝に当たる物語です。
Zガンダムでの戦いは「第1次グリプス戦役」と呼ばれてます。
アニメのZガンダムはエゥーゴ側から物語が描かれていましたが、
小説はアニメのエゥーゴの敵に当たるティターンズ側から
描かれています。


物語は宇宙世紀0085年~0088年の話です。
宇宙世紀0083年12月 地球連邦軍中尉のエルアルド・ハンター
受け取った命令書を見て、「嘘だろう?…」とつぶやいていました。
ティターンズに入隊が許されたのです。
エルアルド(後はエルアルドに省略)はスペースノイド
(宇宙で生まれた人々)なので、そもそもアースノイド(地球に住む人々)
のみで構成されたティターンズに入隊が不可能でした。
その彼が入隊を許され、配属されたのが「MS実験小隊」です。
この小隊は新兵器を実験するテスト小隊でした。
T3部隊」と呼ばれていました。
メンバーは小隊長のウェス・マーフィー大尉、カール・マツバラ中尉、
オードリー・エイプリル中尉とエルアルドの計4名
でした。
カール・マツバラ中尉(後はカールに略)は日系人のハーフで、
エルアルドと士官学校の同期でした。
そもそもティターンズはアースノイドの白人主義でしたので、
スペースノイドや日系等の軍人が入れる訳がありません。
なので異例の人種構成の小隊でした。
このメンバー構成を小説では「バスク・オム大佐(ティターンズの司令官)の
気まぐれ」と書かれていました。




上巻裏表紙です。あらすじが書かれています。


今野 敏氏のプロフィールです。


中表紙の登場人物の説明です♪


下巻表紙です。描かれているのは杖を持っている為、
弁護士のコンラッド・モリス少佐だと思われます。




彼等は様々な機体を実験します。
TRシリーズ」と名付けられた機体はティターンズカラーの濃紺に塗られ、
TR-1から6シリーズまでありました。
マーフィー小隊長がウサギが好きだったので、
小隊のロゴはウサギをイメージした「R」をデザインしたマークでした。
TR-1は「ガンダム ヘイズル」と名付けられ、地球連邦軍の汎用機の
改良型「ジム・クウェル」にガンダムの頭部を取付けた機体ですが、
機動力・推進力等は数段に上がっています。
このガンダム ヘイズルは様々なバリエーションがあります。
モビルアーマー形態やシールドブースター(楯にジェットエンジンを
付けた物)装着型等です。
実験小隊ですので、色々な戦い方を試しているのです。
でも実験と言いながら実際は模擬戦は少なく、ほとんどが実戦です。
後に彼等はグリプス戦役に巻き込まれていきます。
エルアルドがTR-6 ガンダム ウーンドウォートに乗り込み、
宇宙の戦場へ出て行くのですが…




上巻登場のTR-1~4シリーズです。上からTR-1 ガンダム ヘイズル・
TR-2 ビグウィグ・TR-3 キハール・TR-4 ダンディライアンです。
キハールは後にアッシマーとして量産機になります。



下巻登場のTR-5~6です。上からTR-5 ファイバー・フライルー・
TR-6 ウーンドウオートEX・下はエゥーゴのリックディアス シュトゥッツァーです。
フライルーは後に量産機ギャプランとして、登場します。




小説の冒頭はグリプス戦役の最後に行われた
コロニーレーザー争奪戦」から始まります。
そこから話は始まりますが、小説全体は過去の回顧録として
描かれています。
現在は0088年で第1時グリプス戦役も終わりましたが、
エルアルドは戦争中の4つの罪状で拘留されていました。
しかしどれも事実無根の罪でした。
それを地球連邦軍法務局に所属している弁護士
コンラッド・モリス少佐」が弁護します。
モリス少佐は1年戦争(ファースト ガンダムの登場する戦争)の際の
モビルスーツパイロットとして参戦しましたが その戦争で左足を負傷し、
杖なしでは生活できない体となってしまいました。
その後 独学で勉強し、弁護士資格を取りました。
元パイロットの彼が現役パイロットであるエルアルドの無実をはらす為、
奔走します。
バラバラになった元テスト小隊のメンバーを月等から探し出し、
証人として証言させ1つ1つの罪の無実を証明していきます。


小説は現在(0088年)と過去(0085年)の話が交互位に月日を追って
書かれています。
各エピソードごとでまとめられており、とても読みやすいです。
私のような読書嫌いでもどんどんと読めてしまいます。
小説「ユニコーン ガンダム」の福井 晴敏氏の方が難しい表現があり、
難儀しました(苦笑)
今回の小説は、挿絵は一切ありません。


ちょっとティターンズ誕生の背景に触れておきましょう。
1年戦争が終わり、地球連邦軍内に「アースノイドこそ優れた者達」と
考える人々が「ティターンズ」という組織を構成します。
私も小説を読むまでは知らなかったのですが、
そもそもティターンズは1年戦争終了後のジオン公国軍残党の
対テロ対策の為に結成された組織だったのです。
事実、1年戦争終了後にジオン公国残党軍「デラーズ・フリート」が起こした紛争「デラーズ紛争」の後にティターンズは結成されています。
本来のティターンズは優秀な軍人やパイロットの多く集まった
エリート組織で若い将校の憧れでした。
それをティターンズを起こしたジャミトフ・ハイマン准将や
バスク・オム大佐等の一部の上層部が私利私欲に走った為、
反地球連邦組織であるエゥーゴに敗れてしまいました。
ティターンズが崩壊し 地球連邦軍に吸収された際、
ティターンズがガンダムを開発していた事実を隠す為、
実際に搭乗したエルアルドを処刑しようと軍法会議にかけました。
ガンダムは地球連邦軍の象徴そのものであり、地球連邦軍参謀達は
その事実をエルアルドを処刑する事で歴史から抹消したかったのです。
あ、詳しくは続きの小説で♪(笑)


またTR-3アッシマー・キハール」やTR-5ギャプラン・フライルー」は
Zガンダムに登場するモビルスーツのアッシマーギャプランのテスト機
として登場し、ガンダムファンの興味をそそるところでもあります(笑)
Zガンダムではティターンズが「悪」と描かれ、そう思っていた私も
この小説を読んでから、ティターンズも立派な組織だったと理解しました。
小説はマニア向けかも知れませんが、よろしければご一読下さい。
私みたいな「読書初心者」にもサクサク読めてしまいました♪
用語がわからない方は私までお問い合わせ下さい(笑)




これが量産型アッシマーです。大気圏内(地球上)専用機体です。
円盤のように丸くなって変形し、飛行します。


量産型ギャプランです。こちらも飛行形態になりますが、宇宙・地球問わず
活躍しました。両腕のビーム砲内蔵のバインダーが特徴です。
割と使いづらい機体だったようです。




これもユニコーン ガンダムみたいに映像版できないかなあ?観たいなあ?…


※この文章は実はベトナムで書きました。お酒飲み過ぎて深夜に目が覚めて、
 眠れずに原稿書いてました(苦笑)


またチョイ出しのベトナム写真を載せます♪何のブログなんだって(苦笑)



ホーチミン廟です。ホーチミンさんの遺体が安置されています。
普段は中に入れますが、見学日は中に入れませんでした。


旧ハノイ市内の建物です。古いですが、情緒ありますよね?
お正月なので国旗が掲揚されています。ベトナムの国旗は赤地に
黄色い☆マークです♪


車も走っていますが、庶民の足はバイクです。100ccでほとんどホンダ製です。
2人乗りは当たり前で、多い場合は4・5人で乗っています(笑)


「シクロ」という人力車です。乗りましたが、横を車やバイクが通るので、
結構恐かったです。


名物ベトナムコーヒーです♪ アーモンドのような甘い香りのエスプレッソ
みたいです。私は好きです♪

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